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見た目ではなく機能を理解する

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グリップの握り方を説明するに時に、ほとんどのレッスン書、レッスン記事、インストラクターが形や角度としての見た目で説明するか(例えば、V字が右肩を向くように、のように、視覚に頼る方法)、しっかり握るとか、小鳥をつぶさないようにとか、非常に抽象的で、感覚に頼る表現を使います。

これのどちらも単なる説明としてだけでも、片手落ちになってしまいます。

前者は、第一に人間の視覚が幾何学的相違を極めて正確に判別でき、高い再現性を持っているという前提が無い限り、確実性が無いのです。つまり、見た目に頼って、実際にゴルファーがその見た目を常に再現できるのかといったら応えはNOでしょう。3次元空間の中での角度と言うのは、非常に曖昧なもので、少しでも自分が対象物を見る角度が変わってしまえば、全く異なって見えるものなのです。

後者は、各個人の個人差を度外視した表現なので、端から効果的でないのは明らかです。握力80kgのグローブ・サイズ26cmのゴルファーと、握力20kg、グローブ・サイズ19cmのゴルファーが小鳥をつぶさないように握ると言うのでは、余りにも、実際の行動に相違が生じるのです。

グリップに限らず、私は常に「機能を考えなさい」とお伝えします。グリップの機能は、どう握ろうではなく、下半身の力が上半身を通り、腕を通って、グリップを介してクラブに伝わるようにしたいのです。そして、もちろんインパクトでは「叩きたい」のです。

では、長い棒状のものを持って、或る叩き方を効果的に行えるグリップの仕方をしたいのです。例えば、V字がどこを指していようが、小鳥をつぶさないように握ろうが、しっかり握ろうが、そんなことよりもしっかりと叩けるのかという「機能」の方が重要なのです。

(或る叩き方とここで説明しているのは、実際のゴルフスウィングでの叩き方は、表面上現れている形での叩き方とは、到底似ても似つかない叩き方をするのです。ですから、或る叩き方といっています。御了承ください。)

実際、効率の良い動きをするにあたり形とか見た目が決して絶対的な要素ではなく、機能がやり遂げようとする目的に対して適切かどうかということの方が、間違いなく重要です。

例えば、セット・アップ一つとっても、多くのゴルファーは練習場のマットなりに構えて、ボールをたくさん打ち、その結果、マットの向いている方向へ飛んだボールは良いショット、そうでないものはミス・ショットという判断基準で練習をしているゴルファーが多いようです。

私はそれは本末転倒だと思います。あなたがどこかにボールを投げようとするとき、タッゲートにスクェアーに構えることに意識を集中し、あとは闇雲にボールを投げ、その結果自分が向いているほうへ飛んだボールを見て上手く投げられたと判断するのでしょうか。それとも、どこに向いて立っていようとも、狙ったところへ飛んだボールを上手く投げられたと感じるのでしょうか?多分、応えは大変シンプルで、後者です。

それに加えて、ゴルフ場では、練習場のように四角いマットが敷いてあるわけではないですから、実際に自分自身が必ずしもターゲットに向かっていつもスクェアーにセット・アップできているとは限らないのです。

その中でも、ゴルファーが何とかして、ボールだけはターゲットに運びたいのです。それに必要なことは、ラインにスクェアーに立つということよりも、自分自身が狙ったターゲットに向かってボールが打てそうな感じを持てる体勢に構えるという機能の方が当然の如く重要なのです。

逆に、セット・アップはターゲットにスクェアーに構えることで、そうしないと、良い動きをしてもボールはターゲットに運べないと考えているゴルファーは、ラウンド中に狙ったターゲットからボールが大きく逸れてしまい、同伴プレーヤーから、セット・アップがその方向を向いていたという(善意の)コメント一つで、次のショットからは、セット・アップばかりが気になってしまい、実際のショットの結果は惨憺たるものになってしまうのです。

こうした経験をしたことのあるゴルファーの方は、少なくないと思います。つまり、形にばかりこだわり、実際にセット・アップが何のために行うのかという機能を理解していないことが、結果としてのショットに多大な影響を与えてしまっていることの良い例でしょう。

実際、レッスンでは、マットなりにセット・アップし、マットの向いていないところに向かってショットをするという練習を頻繁にしていただきます。これは、形を模倣するゴルフからの脱出の方法の一つです。

全ての行動にはある意味で目的があるのです。その目的が達成できるということ、即ち、機能的であることが重要なことであり、それは、結果としての形を模倣することとは全く異質のことなのです。

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